安心安全な環境を提供するためのカウンセリングのルール
カウンセリングは、安心してお話しいただける環境を提供することが何より大切です。
そのため、カウンセラーには常に高い職業倫理が求められます。
職業倫理とは、相談者(クライエント)が安心して相談できる環境を提供するために、カウンセラーが守るべき重要な責任のことを指します。
カウンセリングのルールや枠組みとも言い換えられると考えます。

カウンセラーは職業倫理について自分は大丈夫、守れていると無関係なものと考えるのではなく、何かのきっかけによって、倫理に違反することをしてしまう可能性があると頭の片隅にでも置いておくことが大事になります。
カウンセラーの職業倫理は、クライエントとカウンセラーとの『信頼関係』を築く基盤です。
この信頼をもとに、安心して自分の気持ちや悩みを整理し、新たな一歩を踏み出すことができます。
以下に主だった倫理について記しています。
どうぞご確認ください。
インフォームド・コンセントの遵守『説明と同意』
『インフォームド・コンセント』として知られるこの概念は、日本語では『説明と同意』と訳されることがあります。
カウンセラーは、これから行うカウンセリングの進行や手法について、クライエントにわかりやすい言葉で十分に説明する責任があります。
また、クライエントから同意を得ることなく、それらを実施することは許されません。

守秘義務
カウンセラーは、カウンセリング中にクライエントから聞いた話や知った情報を、安易に第三者に話したり公開したりしてはいけません。
しかし、守秘義務には例外が存在します。
クライエントやその関係者に命の危険がある時や、その他緊急に対処しなければならないとカウンセラーが判断する時、もしくは生じる恐れがあると判断した場合です。
その場合、守秘義務を超えて、警察や医療機関など、必要な機関へ情報を提供する場合があります。
このような事態になって場合でも、事前に十分なご説明をしたうえで情報を提供します。

二重関係
カウンセラーは、家族や親族、恋人、友人、職場の同僚や上司など、もともと私的な関係がある相手に対してカウンセリングを行うべきではありません。
このような関係でカウンセリングを行うと、私的な関係とカウンセリングの関係が重なり合ってしまいます。
この状況は『二重関係』と呼ばれ、カウンセリングにおいて禁止されています。
クライエントとカウンセラーの関係は、カウンセリングの場においてのみ成立する純粋な関係である必要があります。
これにより、クライエントが安心して相談できる環境を守ることができます。

私的利用の禁止
カウンセラーは、クライエント利益、また尊厳などを守り、それに貢献しなければなりません。
その対価として料金をいただきますが、その料金は提供するサービスの質と量に見合った適正なものでなければなりません。
これを超える不当な要求や、クライエントをカウンセラー自身の欲望や利益のために利用することは、『私的利用』に該当し、厳しく禁止されています。
具体的には、次のような行為が私的利用の例として挙げられます
・カウンセラー自身の宗教や価値観を押し付けること
・カウンセリングとは無関係な商品やサービスの購入を勧めること
・個人的な頼みごとをすること
・セミナーや研究会などへの参加を強要すること
これらの行為は、クライエントの信頼を損ない、カウンセリングの目的に反するものです。
カウンセリングは、クライエントが安心して自分の悩みと向き合える場でなければなりません。

性的な行為の禁止
カウンセラーは、クライエントとの間に恋愛関係や性的関係を築いてはいけません。
もしそのような関係が生じると、カウンセリング本来の目的であるクライエントの心のケアが損なわれてしまいます。
また、カウンセラーとクライエントとの間の『信頼関係』が破壊され、クライエントが安心して相談できる環境が失われる結果を招きます。
クライエントとカウンセラーの関係は、カウンセリングの場においてのみ成立する専門的で純粋な関係である必要があります。

ココロカームは、EAPメンタルヘルスカウンセリング協会(以下「EMCA」という)の定めるEMCA倫理ガイドラインを遵守致します。